tarコマンドにファイルの一覧を渡す方法

ファイルのバックアップ等で,特定のパターンに合致するファイルだけを tar アーカイブに含める際によく使う方法を Tipsとしてまとめました

ポイント

  • tar コマンドの--files-from=FILE (省略形は -T FILE )を使う
  • stdin からファイル一覧を与える場合は tar コマンドに--files-from=- (省略形は -T - )を付ける
  • あとは find などと組み合わせればOK
  • ファイル名にスペースが含まれる場合などは find -print0 | tar cf hogehoge.tar -T - --null などと工夫すれば良い

tar の --files-from=FILE (-T FILE)オプションについて

tar コマンドにファイル名の一覧を渡すには "--files-from=FILE" または "-T FILE" オプションを使う

"--files-from=-" や "-T -" を指定すれば stdin (標準入力)からファイル名の一覧を受け取ることも出来る

ファイル名の区切り文字はデフォルトでは LF

"--null"オプションを使うと NULキャラクタを区切り文字とすることができる

利用例 (findの出力を tarコマンドに渡す)

$ find /path/to -type f  -print0 | tar cf hogehoge.tar -T - --null

findコマンドで抽出したファイルだけを tar コマンドに渡してアーカイブする

ファイル名に全角文字や,空白文字が含まれている場合でも,

  • findに -print0 オプションを付ける
  • tarに --null オプションを付ける

だけでOK

利用例 (テキストファイルからファイル一覧を読み込む)

$ find /path/to  -type f > list.txt
$ tar cf hogehoge.tar --files-from=list.txt

パイプ処理が苦手な人は,一度テキストファイルにファイル一覧を出力,それを --files-from でtarコマンドに渡せばOK


利用例 (特定のパターンに合致するファイルは除外して tar アーカイブを作成する)

$ find /path/to  -type f > list.txt
$ grep -v ".o$"  list.txt > filtered.txt
$ tar cf hogehoge.tar --files-from=filtered.txt

grepコマンドでリストを加工すれば,たとえば拡張子が .o のファイルは除外したtarアーカイブが作成できる

利用例 (特定のパターンに合致するファイルだけの tar アーカイブを作成する)

ソースコードアーカイブ,例えば拡張子が .c または .cpp のファイルだけを tarアーカイブに含める場合は

$ find -name "*.c" -o -name "*.cpp" -print0 | tar cf hogehoge.tar -T - --null 

と書くことができる

$ find -name "*.c"

で拡張子が .c のみ

$ find -name "*.c" -o -name "*.cpp"

で拡張子が .c のみ,または(or条件だから "-o" ) 拡張子が .cpp のファイルをまとめて抽出している