VMware player を VMware server 風に使う方法

VMware server よりも VMware player の方が圧倒的に高速です。そこで、VMware player を VMware server 風に使えるようにしてみました。もう VMware server は不要です!!

概要としては

  • ホスト機で、仮想Xサーバ(Xvfb)を起動
  • 仮想Xサーバ上で vmplayer を起動
  • 外部からは VNC を使って仮想Xサーバ上の vmplayer にアクセス

という流れです。

この方法には以下のメリットがあります。

  • 高速化。VMware server は実質開発停止中で、VMware player の方がチューニングされていて軽快に動作します。
  • 操作性向上。 ssh経由で VNC を使うことで、細い回線でも、ストレスなく遠隔操作できます。通信に必要なポートも ssh の22番ポートひとつだけです。

設定

便宜上

  • ホストOS : VMplayer を起動する実PC上のOS
  • ゲストOS : VMplayer 上で動作させる仮想PC上のOS
  • クライアントOS : vncviewer を起動するOS

とします。

以下設定手順詳細

必要なソフトウェアのインストール (ホストOS側)

以下のパッケージをインストールします。

  • Xvfb
  • x11vnc
  • fluxbox

(fluxbox は、twm などの他のウインドウマネージャでも良いです)

debian とか ubuntu なら

$ sudo apt-get install Xvfb x11vnc  fluxbox

一発です。

必要なソフトウェアのインストール (ゲストOS側)

とくに必要なソフトはありません。

必要なソフトウェアのインストール (クライアントOS側)

VNC viewer をインストールします。

VNC viewer は様々な実装が存在しますが、私が試した限りでは tightvnc が良いようです。
http://www.tightvnc.com/

起動設定(ホストOS側)

ホストOS側で、

  • 仮想Xサーバ
  • ウインドウマネージャ
  • vncサーバ
  • vmplayer
  • ゲストOS

を順に自動起動するスクリプトを作成します

ファイル名はとりあえず /root/start-vmware.sh にしました。

#!/bin/bash

WORK=/tmp/vnc

mkdir -p $WORK
cd $WORK

export DISPLAY=:99

Xvfb $DISPLAY -screen 0 1024x768x16 2>&1 > $WORK/xvfb.log &

sleep 10

fluxbox 2>&1 > $WORK/window-manager.log &

x11vnc -display $DISPLAY -loop -bg -nopw -listen localhost -xkb 2>&1 > $WORK/vnc.log &

sleep 20

vmplayer "ゲストOSのvmxファイル" 2>&1 > $WORK/vmware.log &

ファイル作成が済んだら、忘れずにパーミッションを変えておきましょう。

$ sudo chmod 0744 start-vmware.sh

エラーメッセージはログファイルに記録するようにしています。トラブル時は/tmp/vnc以下のログファイルを眺めましょう。

使い方(ゲストOSの起動)

ホストOSで、上記スクリプトを実行するだけです。

とりあえず root 権限で実行するなら

$ sudo /root/start-vmware.sh
使い方(ホストOSからゲストOSを操作する場合)

vncviewer で仮想Xサーバへ接続するだけです。

$ xtightvncviewer localhost

xtightvncviewer を閉じても、vmplayer は仮想Xサーバ上で動作し続けます。

使い方(クライアントOSからゲストOSを操作する場合)

sshのポートフォワードで vncviewer を使います。

先ずクライアントOSからホストOSへsshでポートフォワードします。 転送するポートは、VNCが使う5900番だけです。cygwin 等を使っている場合は

$ ssh  ホストOSのIPアドレス  -L5900:localhost:5900

とします。

次に、クライアントOS上で、vncviewer を起動します。

あとは、localhost の 5900 番に接続するだけです。

まとめ

vmware server に比べると、 vmware player はとても良く出来ています。 乗り換えも、ゲストOS側は、特に何も設定を変えずに行えるようです。未だに vmware server を使っている方は、今すぐ移行すべきだと感じました。

補足

  • 上記設定は vnc に認証を掛けていません。ホストOSにアカウントがある人は全員 vmware player へアクセスできてしまうのでご注意ください。
  • vmxnet3 のような新しい仮想デバイスを使うには、仮想マシンの vmx ファイルを作りなおす必要があります。といっても、vmplayerのGUIのメニューから新規作成を選んで新しい仮想マシンを作って、今まで使用していた仮想ディクスを追加するだけです。


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