MacOS に日本語TeX環境(texlive2012)をインストールしたので,手順をメモします.
GUI は不便なので,設定コマンドラインから tlmgr コマンドで行います.
(2012/10/07追記.ついでにTeXのTipsもまとめ直しました)
MacTeX のインストール
MacTexを使います.
http://www.tug.org/mactex/ からMacTeX.pkg をダウンロード&インストールします.
日本語関連の設定
pxdvi 等を追加インストールします.
まずtlptexlive リポジトリを追加します
$ sudo tlmgr repository add http://www.tug.org/~preining/tlptexlive/ tlptexlive
確認
$ sudo tlmgr repository
次に pinning.txt という設定ファイルを作成します.まず
$ kpsewhich -var-value TEXMFLOCAL
として TEXMFLOCAL 変数の値を調べます.手元の環境では
/usr/local/texlive/2012/../texmf-local
となりました.そこで /usr/local/texlive/texmf-local/tlpkg ディレクトリを新規作成し,
そこに以下の内容で pinning.txt を作成します.
tlptexlive:pxdvi*,pmetapost*
最後に pxdvi pmetapost パッケージをインストールします
$ sudo tlmgr install pxdvi pmetapost
設定が正しければ tlptexlive リポジトリから pxdviと pmetapostパッケージがインストールされるはずです.
うまく行かない場合は
$ sudo tlmgr install pxdvi pmetapost -v
と"-v"オプションをつけてコマンドを実行すると,詳細なログが画面に表示されるので何かヒントが得られるかもしれません.
Tips
パス
MacTeXのバイナリは /usr/texbin以下にインストールされます.
環境変数PATHを適切に設定しておきましょう
TEXMFLOCAL 等の設定は
$ kpsewhich -var-value TEXMFLOCAL
で確認できます.
文字コードの切り替え
texlive なので,コマンドラインオプション(--kanji)でソースコードの文字コードを切り替えることができます.
- EUCを使う
$ platex --kanji=euc hogehoge.tex
- UTF8を使う
$ platex --kanji=utf8 hogehoge.tex
dvi の表示
xdvi では日本語が表示できません. pxdvi を使います
emacs の yatex を使っている場合は ~/.emacs 等にとりあえず
(setq xdvi-bin "pxdvi")
と書いておきましょう
ヒラギノフォントを利用可能にする設定
詳細は http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texwiki/?Mac
$ sudo mkdir -p /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentype/hiragino/ $ cd /usr/local/texlive/texmf-local/fonts/opentype/hiragino/ $ sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 Pro W3.otf" ./HiraMinPro-W3.otf $ sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ明朝 Pro W6.otf" ./HiraMinPro-W6.otf $ sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ丸ゴ Pro W4.otf" ./HiraMaruPro-W4.otf $ sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ Pro W3.otf" ./HiraKakuPro-W3.otf $ sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ Pro W6.otf" ./HiraKakuPro-W6.otf $ sudo ln -fs "/Library/Fonts/ヒラギノ角ゴ Std W8.otf" ./HiraKakuStd-W8.otf $ sudo mktexlsr
pdf の作成
特に設定をしなくても,dvipdfmx でdviからpdf が生成できます.
pdf に埋め込むフォントの切り替え
詳細は http://oku.edu.mie-u.ac.jp/~okumura/texwiki/?Mac
$ updmap-sys --setoption kanjiEmbed noEmbed 埋め込まない $ updmap-sys --setoption kanjiEmbed kozuka 小塚書体 $ updmap-sys --setoption kanjiEmbed morisawa モリサワフォント $ updmap-sys --setoption kanjiEmbed ipa IPAフォント $ updmap-sys --setoption kanjiEmbed ipaex IPAexフォント
emacs (YaTeX) の設定
macports にはYaTeXのパッケージが見当たらなかったので, ~/local に手動でYaTeXをインストールしました.手順は以下の通り.
http://www.yatex.org/からソースコードをダウンロード
$ tar xvfz yatex1.75.tar.gz
$ cd yatex1.75
Makefile の PREFIX変数等を編集
インストール
$ make install
~/.emacs に以下の設定を追加
;; yatexをインストールしたディレクトリを指定 (setq load-path (cons "~/local/yatex" load-path)) (setq auto-mode-alist (cons (cons "\\.tex$" 'yatex-mode) auto-mode-alist)) (autoload 'yatex-mode "yatex" "Yet Another LaTeX mode" t)
tlmgr の使い方
texliveの更新,パッケージの追加インストールは tlmgr コマンドで行います.
tlmgr自体の更新
$ sudo tlmgr update --self
アップデートがあるパッケージを確認
$ sudo tlmgr update --list
アップデートをまとめてインストール
$ sudo tlmgr update --all
パッケージ hoge をインストール
$ sudo tlmgr install hoge
パッケージを keyword で検索
$ sudo tlmgr search keyword